遺族が行なう手続きのなかには、保険や年金関係のように
期限が定められているものもありますので、早めの手続きを心がけましょう。
故人が年金に加入していれば遺族にそれぞれの年金が申請後に支給されます。
国民年金の場合は「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」のいずれかひとつが受給でき、厚生年金・共済年金の場合はともに「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」または「遺族共済年金」が受給できます。
手続きには期限があり、5年(死亡一時金は2年)を過ぎると経過期間の年金は時効により支給されません。
また被保険者(故人)や支給対象者にはそれぞれ必要な条件がありますので、加入していた年金の内容を調べ、できるだけ早く手続きをしましょう。
年金の種類 | 受給要件 | 手続きの窓口 | 必要な書類 | |
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国民年金 | 遺族基礎年金 | 故人(夫)が国民年金に加入中で、納付期間の3分の2以上(免除期間を含む)保険料を納めていた場合に、18才未満の子をもつ妻や両親のいない18才未満の子に支給されます。 | 居住地の市区町村役場の年金課 | 故人の年金手帳・印鑑・除籍謄本・故人の住民票の除票と遺族年金受給者の住民票・死亡診断書・所得証明書など |
寡婦年金 | 故人(夫)が25年以上(免除期間を含む)保険料を納め、基礎年金の受給資格がある場合、婚姻期間10年以上で子のいない妻(年収850万円未満)に60〜65才の間支給されます。 | |||
死亡一時金 | 故人が国民年金に3年以上加入し、老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受けず、遺族が遺族基礎年金や寡婦年金に該当しない場合、保険料納付年数に応じ1回のみ支給されます。 | |||
厚生年金 | 遺族基礎年金 | 国民年金の場合と同じ | 故人が就業中だった場合 就業先を管轄する社会保険事務所または就業先 故人が退職していた場合 居住地区の社会保険事務所 |
故人の年金手帳または被保険者証・印鑑・除籍謄本・故人の住民票の除票と遺族年金受給者の住民票・死亡診断書・所得証明書など |
遺族厚生年金 | 遺族基礎年金とは別に、加入年数・平均月収等による額が支給されます。 | |||
共済年金 | 遺族基礎年金 | 国民年金の場合と同じ | 加入先の共済組合 | 運営組織により手続きが異なるため、詳細は加入先にお問い合わせください。 |
遺族共済年金 | 遺族基礎年金とは別に、加入年数・平均月収等による額が支給されます。 | |||
国民年金 (第3号被保険者) |
遺族が請求できる公的年金はありません。 |
故人がJA共済の「共済保険」や郵便局の「簡易保険」等に加入している場合は、2か月以内に保険金の請求手続きをします。
電話で証券記号番号・被保険者名、死亡原因、死亡月日を連絡すると死亡保険金請求書が送付されますので、必要な書類を揃え、すみやかに提出します。
法律では2年以内に申請しないと権利がなくなるとされているので注意が必要です。
また住宅ローンを組んでいる場合、生命保険がついているケースが多いので、住宅金融公庫や借入先の金融機関に確認・相談し、こちらも忘れずに手続きを済ませましょう。
※事故死や自死の場合はそのほかに、警察の検案書の写しや事故証明書、事故の新聞記事などが必要になります。
必要な書類
死亡保険金請求書保険証書最終保険料領収書印鑑保険金受取人の戸籍抄本被保険者の住民票の徐票受取人と契約者の印鑑証明書死亡診断書など
故人が次のいずれかの保険に加入している場合、
または保険に加入している方の扶養家族が亡くなった場合、遺族に葬儀や埋葬を行なうための費用が支給されます。
いずれも申告制になっていますので、 忘れずに手続きしましょう。
保険の種類 | 請求名目 | 手続きの窓口 | 必要な書類 | 支給額 | 申請期限 |
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国民健康保険 | 葬祭費 | 居住地の市区町村役場の国民健康保険課 | 葬祭費支給申請書 保険証・印鑑・死亡証明書・預金通帳(振り込みの場合) |
自治体により異なります | 葬儀の翌日から2年以内 |
社会保険(健康保険)加入者本人が亡くなった場合 | 埋葬料 (埋葬費) |
就業先または所轄の社会保険事務所 | 健康保険埋葬料(費)請求書 就業先事業主による証明または印鑑もしくは死亡を証明する書類(死亡診断書・埋葬許可証など)※事業主や友人が葬儀を行った場合の「埋葬費」は、埋葬料の範囲内で実費支給のため領収書も必要です。 |
一律 5万円 | 死亡日の翌日から2年以内 |
社会保険(健康保険)加入者の扶養家族が亡くなった場合 | 家族埋葬料 | 申請の手続きは本人の場合と同じ | 必要な書類は本人の場合と同じ | 死亡日の翌日から2年以内 | |
労災保険 業務上または通勤災害による傷病で亡くなった場合 |
葬祭料 通勤災害は葬祭給付 |
事業所を管轄する労働基準監督署 | 葬祭料請求書 (記載事項に関する事業所の証明)・保険証・死亡診断書(または死体検案書)・住民票・除籍謄本・賃金台帳等 |
自治体により異なります | 葬儀の翌日から2年以内 |
故人名義の財産を相続により引き継ぐ場合は、名義の書き換えを行なわなければなりません。
その際、遺産分割協議書または相続人全員の同意書、印鑑証明書、戸籍謄本、除籍謄本など各種書類が必要で、なかには手続きが複雑なものもあります。
法律の問題を弁護士に相談したり、不動産登記や会社・法人登記に関する手続きを司法書士に依頼したりと、困った場合には専門家の力を借りてもよいでしょう。
また万が一故人に負債があった場合には、相続した財産の範囲で支払う「限定承認」と、相続を拒否する「相続放棄」を選択することができ、手続きは相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所で行ないます。
故人の財産を相続する場合、相続税のかかるものとそうでないものがあり、土地・家屋、有価証券、現金・預貯金など本来の財産と、生命保険金、死亡退職金などのみなし相続財産には税金がかかりますが、墓地・霊廟、公益事業用財産、寄付財産などには税金がかかりません。
相続財産の評価額については時価評価が原則ですが、税務当局が定めた評価方法で算定されるものもあり、税務署か税理士に問い合わせてみるといいでしょう。
相続税には基礎控除が認められていますので、相続財産が3,000万円+(600万円×法定相続人数)以下なら相続税がかかることはありません。(平成27年1月1日以後に相続又は遺贈の開始(死亡の日)の場合)
また現金で支払えない場合、国債、地方債、不動産、株式などでの物納も可能です。
故人の所得税の確定申告を「準確定申告」といい、法定相続人が4ヶ月以内に申告して下さい。
申告は故人が亡くなられた年の1月1日から死亡日までの所得について行ないますが、故人が前年分の確定申告をしないまま亡くなった時は前年の確定申告もしなければなりません。
故人が勤務していた事業所(会社)で給与から源泉徴収していた場合は事業所で行なう場合もありますので、勤務先に問い合わせてみましょう。
申告によって確定した所得税は法定相続人が負担します(源泉徴収の還付を受ける場合もあります)。
支払った故人の所得税額は相続財産から控除されます。
※これらの内容はあくまでも一般的見解から作成しております。役所等に書類提出される場合は、一度該当する専門家にご相談されると安心です。
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